特報 『なぜ今さら『ターミネーター2』の続編なのか? 72歳になったシュワちゃんが語る』


ターミネーター2』(原題:Terminator 2: Judgment Day)は、1991年のアメリカのSF映画。1984年の映画『ターミネーター』の続編として製作された。 監督は前作と同じくジェームズ・キャメロン。略称は「T2」(ティーツー)。同年のアカデミー賞で視覚効果賞、メイクアップ賞、音響効果賞、録音賞を受賞している。
49キロバイト (6,367 語) - 2019年10月29日 (火) 20:27



(出典 i.ytimg.com)


なぜ今さら『ターミネーター2』の続編なのか? 72歳になったシュワちゃんが語る

’80年代に製作され、今なお語り継がれるハリウッド大作は数あれど、『ターミネーター』シリーズほどの人気作はまれだ。東西冷戦期の核戦争の恐怖をベースにしながらも、ネット&IT社会の今だからこそ起こりうる脅威を描いた傑作と言える。特に、’91年の『ターミネーター2』(以下『T2』)は、アクション描写のみならず、未来のロボットと少年の友情をも描き、アクション映画の新機軸を打ち出した。

28年の時を経て、名作『T2』の正統な続編がシュワちゃん主演で復活
 そのターミネーター“T-800”役で大スターとなったのがアーノルド・シュワルツェネッガー。新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』でも同役を演じているのだが、なんと本作は『T2』の“正統な続編”として製作されたという。御年72歳のシュワちゃんはこう語る。

「僕が演じたのはサイバーダイン社のモデル101。本作で登場する最新型ターミネーターよりも古く、本シリーズでは最古参のターミネーターだね。長いこと存在しているから、その能力は皆さんご存じの通りだ。『T2』で起きたことを知っているかどうかは、まだ話せない。話したら、僕は君を殺さないといけなくなるからね(笑)」

 本作の舞台は『T2』のその後。スカイネットが核戦争を引き起こす「審判の日」を回避した後の世界だ。メキシコに新型ターミネーター“REV-9”が現れ、ある女性の命を狙う。これを阻止するために、未来から送り込まれた強化型戦士グレースと“T-800”、それに『T2』で世界を守ったサラ・コナーが立ち向かう。

『T3』以降やTVドラマまで作られているシリーズなのに、なぜ今さら『T2』の続編?と思うかもしれない。その辺りの事情について、「本作は、『T1』と『T2』を作り出したジム(ジェームズ・キャメロン)がプロデューサーとして復帰したことで成立した企画なんだ」と、彼は説明する。

「ジムいわく、これは『T2』の“正統な続編”なんだ。たとえ監督が代わっても、ジムがすべての製作工程に関わっていたから、僕は安心して出演することができた。最初、彼が僕に電話で『あなたにはターミネーターを、リンダ・ハミルトンには戻ってきてもらいサラ・コナーを演じてもらう。どう思う?』と聞いてきた。正直、最高だと思ったね。おかげでやっと元のファミリーに戻った気分だ」

 実は、『T2』以降の作品にキャメロンは一切関わっておらず、いわばそれらは『ターミネーター』の世界観を使ったスピンオフ作品。本作が“正統な続編”と呼ばれる所以はそこにある。シュワルツェネッガーは『ターミネーター4』(’09年)を除いて同じ役で出演しているが、「僕が出演した作品に関しては後悔していないよ」と言う。

「州知事時代でノータッチだった『T4』は何も語ることはないけど、他の作品はよくできていたと思うよ。ただ、ジムの個性はまったくなかった。彼が関わると、どういう物語にしたいのかはっきりとしたビジョンを持っていて説得力があり、シーンによってどんな芝居が欲しいのか明確なアイデアを出してくれる。『トゥルー・ライズ』(’94年)でもそうだったから、彼の個性がどういう役割を果たすかはよく知っているんだ。本作を観れば、すぐにその違いがわかってもらえると思うよ」

72歳と63歳が挑むアクションシーン
 帰ってきたのはキャメロンだけではない。『T2』で伝説的なアクション女優となりながらも、その後は一切このシリーズに関わらなかったリンダ・ハミルトンが復帰しているのだ。

「彼女とは『T2』以来だけど、撮影が始まってすぐに凶暴で野性的なあのサラ・コナーに戻っていたね。でも、本当は優しい人だよ。撮影にカットがかかると、彼女は僕にもたれてキスをしてくれる。どうやってその切り替えをしているのかは謎だよ。

 僕は72歳、彼女は63歳だけど、お互いできる限りのスタントは自分でやると決めていたから、トレーニングも撮影もすごくハードでね。たとえば、彼女に大量の水が容赦なく降りかかるシーンがあるんだけど、それでも文句ひとついわずに、クールにこなしていた。監督も僕も『信じられない!』と思ったよ」

 最強タッグで甦るターミネーターだが、28年前を懐古することはあるのか? 彼は「あの頃へのノスタルジーはあるね」と認めながらこう振り返る。

「懐かしいけど、だからといって今の時代が嫌いなわけじゃない。大好きだし満足している。それは、僕が故郷のオーストリアが好きだけど、今はアメリカに住んでいてハッピーだっていうのと同じ。2つのベースがあるんだよ。僕は’80年代にアクションスターになり、それが一大ジャンルになったけど、結局のところ僕はその一部でしかない。

 シルベスター・スタローンやジャン=クロード・ヴァン・ダム、スティーブン・セガールなど、あらゆるスターがこのジャンルを支えてくれた。壮絶なアクションに銃、徹底的な暴力描写に、分厚い筋肉の主役といったこのジャンルのスタンダードを、僕らがつくり出し、関わることができたのはラッキーだと思っている。

 今だって、その牽引役をできていることに満足しているよ」
もはやレジェンド!『T1』『T2』の何がすごかった?
<ターミネーター(’84年)>
舞台は’84年のLA。AIに支配された未来から、抵抗軍のリーダーの母サラを殺すためターミネーターが襲来。製作費の10倍以上となる世界興収7800万ドル超を稼ぎ出した。キャメロンが見た悪夢が着想の基になっており、冷戦激化時の時代背景を生かした物語が斬新だった。

<ターミネーター2(’91年)>
舞台は前作の10年後。新型ターミネーターがサラとジョンを狙う。そこに改造されたターミネーターが彼らを守るために送り込まれる。日本でも興収87億円超、世界興収5億ドル超を稼ぎ出したSF映画の金字塔。少年とロボットの友情を軸にした物語が万人に受け入れられた。

【アーノルド・シュワルツェネッガー】
’47年、オーストリア生まれ。’84年の『ターミネーター』で大ブレイクして以後、世界的アクションスターとして名を馳せる。’03年、カリフォルニア州知事就任に伴い俳優業を休業していたが、’10年に復帰を果たした

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