特報 『「体を動かしてもらう、きっかけになる」』


Pokémon GOポケモン ゴー)は、ナイアンティックと株式会社ポケモンによって共同開発されたスマートフォン向け位置情報ゲームアプリ。対応プラットフォームはAndroidとiOS。 日本のメディアでは一般的に「ポケモンGO」として報道されており、一部記事タイトルでは「ポケGO
157キロバイト (21,694 語) - 2019年11月16日 (土) 04:12



(出典 i.ytimg.com)


【スポーツ庁長官】鈴木大地隊長
「体を動かしてもらう、きっかけになる」
認定アプリ第1号!

 10週連続での調査隊報告も最終回を迎えた。最後の隊長は、1988年ソウル五輪男子100㍍背泳ぎ金メダリストでもある、スポーツ庁の鈴木大地長官(52)。『ポケモンGO』をスポーツ庁の認定アプリ第1号にした経緯や、実際にプレイした感想、今後の構想などについて語った。調査隊の活動は今後も続きます。(取材構成・田代学、鈴木智紘)
文科省の周りにポケストップ

 地道な活動を続けてきた『ポケモンGO調査隊』にとっても、うれしいニュースだった。ポケGOが先月、スポーツ庁の認定アプリ第1号になった。東京・霞が関の文科省内にあるスポーツ庁の長官室で先週、鈴木隊長が経緯を明かした。ポケGOについてのインタビューに応じること自体、異例のことだ。
 「スポーツをプロモーションするなかで、スポーツに全く興味のない人たちに、どうやってスポーツの良さを知ってもらうかで随分と悩んでいました。ポケモンGOは、そういう人たちにアクセスできるいいチャンス。体を動かしてもらういいきっかけになるかな、と思っています」
 スポーツ庁は7月1日から国民のスポーツ参画を促進する「Sport in Lifeプロジェクト」 をスタート。日常生活でウオーキングなどの運動を推進する企業や団体に独自の「お墨付き」を与えている。スマホアプリで第1号になったのがポケGOだ。

スポーツ庁が自治体や企業などと一体となり、国民のスポーツ参画の促進を目指す試みで、7月からスタートした。同庁の2018年度の調査によると、成人の週1度以上のスポーツ実施率は55・1%。このプロジェクトでは、新たにスポーツ人口を1000万人以上拡大し、実施率を65%まで引き上げる目標を掲げている。関係機関が今後実施する取り組みに共通のロゴマークを利用し、機運を醸成する。
 「ゲームは子供のときにだいぶやりましたよ。一番はまったのはパックマンかな。ゲームセンターには不健全なイメージがなくもないけど、これ(ポケGO)は外に出て歩いていかないとポケモンをゲットできないし、ゲームも進んでいかない。足で得点を稼ぐようなところがあるので、今までリーチできなかった人たちが歩いたりしてくれるだろうなと期待しています」

 スポーツ庁が推奨するのは1日8000歩のウオーキング。同庁がサイトで引用している「中之条研究―1年の1日平均の身体活動からわかる予防基準一覧」によると、高血圧や糖尿病などの予防が期待できる。鈴木隊長も早速ダウンロードをして、プレイを始めた。
 「レベルは15です。まだ分からないことが多くて、詳しいスタッフに聞きながらプレイしています。今は結構暑いですけど、ちょっと歩くと、(ポケストップなど)いろいろあるから、ついつい行ってしまう。時間があると、アプリを開いていますよ。ここから昼ごはんを食べに行くときとかね。(ポケストップやジムが)文科省の周りにもあるんですよ」
 IOC(国際オリンピック委員会)には「(ゲームの)画面がスポーツの機会を奪っている」と主張するメンバーもいるという。だが、鈴木隊長はリアル(現実)とバーチャル(仮想)が融合しているポケGOを実体験したことで、ゲームとスポーツは相いれないという先入観を払拭された様子だ。
 「ポケモンGOは3年くらい前にデビューして、しっかり根付いている感じがある。ステージが上がったり、ポケモンが何百種類もいて、(図鑑が)埋まっていくのはうれしい。(ポケストップやジムのフォトディスクで)名所や旧跡の名前が分かるだけでもおもしろいですね。大人が夢中になるのも分かります」
地方もにぎわうアイデアを

 調査隊ではこれまで、ポケGOがコミュニケーションや観光振興に活用されていることも報告してきた。来月にはラグビーW杯、来年には東京五輪・パラリンピックが開催。多くの外国人観光客の来日が予想されるとあって、鈴木隊長は三陸鉄道や鹿児島・指宿市の取り組みを紹介した紙面を興味深そうに眺めた。
 「プラットホームはある程度できているので、あとはどういうアイデアでおもしろくバージョンアップさせるか。(スポーツ庁は)スポーツだけでなく文化とかツーリズムとかもやっていますので、われわれも考えます。地方もにぎわうようなものをね」
 10週前、調査隊はポケGOの健康効果や第2次ブームの真偽を探りながら、読者に楽しんでもらうことを目的に掲げて発足した。スポーツ庁認定アプリ第1号になったことで、早くも読者から「後ろめたい気持ちが薄れた」という声も届いている。第2次報告に向けて、ポケGOだけでなくスポーツ庁の動きも調査していく必要がありそうだ。

【特報 『「体を動かしてもらう、きっかけになる」』】の続きを読む